マックジョブは消失します

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★マックジョブとは? 

「マックジョブ」という言葉をご存知でしょうか。 

Wikipedia :
マックジョブ(英語: McJob)とは、ほとんどスキルを必要とせず、社内での昇進のチャンスがほとんどない、低賃金で将来性のない仕事を意味するスラングである。この言葉は、ファストフード店の「マクドナルド」に由来するものであるが、マクドナルドだけでなく、就業にあたっての訓練がほとんど必要なく、スタッフの離職率が高く、管理者が労働者の業務に強く干渉するような、地位の低い仕事を表すのに使われる。

このようにマックジョブはマニュアル仕事を卑下する言葉ですが、生産効率を上げるには有効な手段です。仕事をマニュアル化して作業時間を短縮しサービスや製品のクオリティを担保できます。つまり儲かります。
また労働者にとってもわるいことばかりではありません。従業員もマニュアル通り働くことで試行錯誤や責任から解放されて楽に安心して働くことができます。 

つまりマニュアル化は会社にとっても従業員にとってもサイコーなんです。 

…って言ってはみたものの、マニュアル化ってホントに正義なの? 
今回はそんな視点で考察してみたいと思います。 

★マックジョブの弊害 

たしかに大量生産の現場ではマニュアル化には短期的に生産効率を上げて会社の利益を押し上げる効果があります。労働者をロボット化することで高品質なサービスや商品を安く享受できる消費者にもメリットがあるでしょう。

でも、デメリットがあります、それをきちんと認識したいと思います。 

仕事をマニュアル化すると社員の思考が停止します。 

当たり前です、マニュアル化って「勝手なことをするな、指示に従え」ということですから。 
すると従業員はどうなるか?
なにか不具合があれば他人の責任にして、自分で打開する努力もせずに「オレはマニュアル通りやったぞ」と他人のせいにし「誰かなんとかしてくれ」とクレクレ君になります。

…これ、幼児ですよね。 
気に入らないことがあれば泣くだけ。 泣いて誰かに機嫌を取ってもらおうとする幼児です。 

安易にマニュアル化を勧めるのか危険です。 

極論すればファクトリーオートメーションのロボットのように労働者を扱うのか、それとも労働者に自ら創意工夫をするインテリジェンスを期待するのか、を区別しなければいけません。マニュアル化のデメリットは非常に大きな影響をもちます。

★開発のマニュアル化

私はとある自動車メーカーにつとめています。自動車なんてもう成熟産業なので安売り作戦一辺倒です。開発の現場はコストダウンの圧力が年々増していきます。株主や経営陣はもっと短期間に少人数で開発しろと開発部門の首を締めます。すると何が起こるか、そう「マニュアル化」です。昔の開発の成功事例をマニュアル化してより早く安く開発しよう!というわけです。しかし…

「開発をマニュアル化」…はい アウトです。 

開発をマニュアル化すると、現場では何が起こるか。 
開発者が「マニュアル通りやったのに上手くいきません!なんとかしてください!」なんて言い出す事態がおきます。 

実際に起こった例ですが、開発部門のリーダーのくせに「みんな!オレたちは言われた通りやってりゃいいんだからな!できなくてもそれはマニュアル作ったヤツの責任だからな!」などと開発現場を扇動する輩が現れて集団サボタージュが起きました。

いやいや、「開発者」ってできないことを可能にするのが仕事ですよ。マニュアル通り手を動かすだけなんて、よくそんなこと大声で言えたねぇ。ホント恥を知りなさい。

↑これは極端な例ですが、
マニュアル化が定着してしまうとなぜそうするのか、誰も考えなくなるのが最大の弊害です。そうなると不具合が起きてもどうやって改善すればいいのか分からなくなり、不具合を自分たちで修正できなくなります。開発者が思考停止って致命的

つまり「開発のマニュアル化」なんてすると開発能力を失いますよ、ってこと。 

ただ、こんなことは開発部門では誰もが分かってることです。当たり前。なのに、なんでそんなことになるのか…。経営層から降りてくる開発計画は必達です。少ないリソースで短納期をクリアしないといけません。不本意でしたが開発のマニュアル化をどんどん進めました。派遣社員でもできるように、社外の下請けでもできるように、海外の開発拠点でもできるように…とどんどん開発をマニュアルして幸か不幸かある一定の成果が得られました。

それと同時に水面下では開発者の質の低下「思考停止」がすすみました。 

いちど思考停止した開発者を再起動するのはたやすくありません。ぬるま湯につかると誰も再び難題にチャレンジしイノベーションを起こそうって思わない。マニュアル通りに手を動かして失敗したら他人のせいにしてる方が楽ですから。それに頑張っても給料は同じだし。

そんなマニュアル仕事で時間を浪費して「仕事やった感」だけで自己満足している部下を見るのが私はとても苦痛でした。なぜか思考停止で手を動かしてるだけの社員ほど「オレたちが会社を支えてるんだ」とドヤりまくっているのはとても見苦しかった。優秀な部下達を思考停止させて価値のないロボットに仕立てるのが本当に不本意でした。

キミのポテンシャルはそんなもんじゃないでしょ? 
キミがほんとにやりたかった開発ってそんなもんじゃないでしょ? 
こんなぬるま湯が将来も続くはずないのに、自己研鑽しないとマズいよ? 

株主や経営陣はかりそめの生産性向上に満足してるけど、技術開発の能力は失われていってますよ? こんな思考停止の開発者ばかり量産して、将来は誰がどうやってこの会社を支えるの?経営が傾くころ、株主は株を売りぬけるだけ、経営陣もそのころには楽隠居でしょう。いいですよね。でも、我々開発者はどうすりゃいいの?

私は部下のインテリジェンスを奪い、会社の将来も棄損している…。 

開発部門の管理職の1人としてひどく抵抗感を覚えました。 
「オレはいったい会社で何をやってるんだろう?」 

★大人の幼児化 

労働生産性を追求するあまり製造業の現場で開発者の幼児化が進んでいるという考察をしましたが、幼児化は開発者だけでなく現代の大人全般に言えることかもしれません。

高度経済成長期における日本では従業員を育てる教育を推進しました。他人からの指示命令に従うようにしつけ&教育してきました。学生は必ず正解のある問題を与えられて従順に解くトレーニングに明け暮れます。社会に出てからも決められた社会のルールに従って与えられた課題を盲目的に処理しています。そして指示命令に従っていれば当然報われるはずと勝手に思い込んでいる人が多いように思います。生殺与奪を自ら他人に差し出しておきながら思惑通りに報われないとすぐキレます。四六時中文句言って他人を叩いたり足を引っ張ったり。

それではあまりにも稚拙です、ほんとに見苦しい。 

社会は不公平で理不尽です。残酷だけど当たり前です。この現実を直視していない人のなんと多いことでしょう。日本は中途半端に公平で幸福なのがよくない。 

誰かが決めたルールに従っていても幸せは誰も与えてくれません。本来、幸せは自ら考えて行動して戦って獲得していくもの。 

まずは考えないと。 思考停止を卒業することが第1歩です。 

★マニュアルをこなす仕事は急速に価値を失います 

あらためて話をマニュアル化に戻します。 

冷静に俯瞰してみてください。 

マニュアル通り手足を動かすような仕事は、ロボットやすでに奪われ始めています。また課題解決型の仕事もデータ分析や機械学習のAIに奪われつつあります。つまりインプットを処理して成果をアウトプットする種類の仕事は価値が無くなります。

もはや“やればできる”ような仕事は課題の処理能力では人間はかなわない。

これもまた現実です。直視するところから始めましょう。 ではそのとき人間はどうすればよいのか? 
人間にしかできないようなより価値の高い活動を仕事にしていかなければいけませんね。 

活路のひとつは、課題を解決するのではなく課題を見つけることだと思ってます。

人の経済活動って突き詰めると「他者のニーズを満たす」ことです。 そのために他者のニーズを掘り起こすことがより重視されるようになっていくと思います。掘り起こすのが仕事です。どんな成果があれば他者が喜んでくれるかというシナリオを描くまでが我々人間の仕事です。そのあとの解決方法はテクノロジーに任せましょう(笑)

繰り返しになりますがマニュアル仕事に将来はありません。 

★まとめ 

マニュアル仕事は無価値です。 

今後マニュアル仕で給料をもらおうというのは無理になります。でも誰もそれを教えてはくれません。会社にとって不都合な真実だからです。それどころか会社はいまのところしれ〜っとマニュアル仕事を我々に強制してきます。しかし将来ロボットやAIの方が安くなればマニュアル通りのこなし仕事しかできない人間なんてお払い箱です。

我々は従業員はマニュアル仕事しかさせてもらえなかったのに、マニュアル仕事しかできないからクビになるわけです。 

理不尽ですね。でもふつうに起こり得ると思いませんか。 

つまりマニュアル通りの仕事なんてやってちゃダメです。会社は助けてくれません。会社にもそんな余裕ないもの。そのうち法改正で労働者の流動性が高まって簡単にクビになる時代が来ます。その時にそなえて、社員ひとりひとりがきちんと自分の両足で立てるようになりましょう。自分なりの生存戦略を考えてください。

とにかく思考停止だけはマズイです。 あなたの仕事、もしマニュアル化できそうならマズイですよ。 

★あとがき 

私個人の仕事はマニュアル化は難しいかもしれませんが、マニュアル化を推進する部門にいるということは将来的には部門ごと消失する懸念があります。それに会社で与えられた仕事をするだけでは自分の価値向上や今後の成長は期待できません。これは何らかの生存戦略が必要ですね。

私個人としては未だ会社給与が所得の基軸ですが、今は資産運用と副業に取り組んでいます。資産運用や副業で会社や他人に依存することなく私個人で収入を獲得できるようになりたいと目論んでいます。今は副業なんて始めたばかりの赤字状態ですが、近いうちにきっと自分の両足で家族を支えられるように育ててみせますよ。

給与所得をセイフティネットに個人で稼ぐ力を育ててサイドFIRE!これが私の生存戦略です。月並みですが(笑)

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