交渉・折衝のコツ「2つの限界点」

会社員マインド

交渉・折衝には「2つの限界点」というコツがあります。

まえがき

業務上で交渉・折衝する機会はありますか。
デラえもんは口下手で打合せや交渉ではいつも言われっぱなしでした。くやしいので、ひとまず質問に全力回答するのをやめたのがきっかけでした。

ミーティングで質問されても、まず一息おいて「それ聞いてこの人はどうしたいのだろう?」と心の中で自問するようにしています。(割とその質問にあまり意図はなく、ただのマウントだったりします(笑)、またそれは別の機会に)

交渉って、相手と意見のギャップがあって妥協点を見つける作業なのですが、ある2つの限界点を探ることが重要になります。そのとき、うかつに相手の質問に答えてしまうと交渉が不利になります。今回はその交渉における2つの限界点を意識して交渉を有利にする方法をお伝えしたいと思います。

では本編行ってみましょう!

自分の限界点を隠せ

交渉ではこちらの限界点を知られると負け戦です

よくありませんか?↓こんな例。

会社Aに試作品を発注しましたが、A社は納期遅延の常習犯。今回もまた納期が遅れそうです。

A社「申し訳ありません、いつまでなら納期を待ってもらえますか…?」

このとき「仕方ないなぁ、あと1週間なら待てますよ」なんて正直に答えたらダメです。
・あと1週間待てる」と回答した時点で1週間以内に納品されるチャンスを失います。
・また、あなたの会社がいつも1週間の余裕をみて日程計画しているのを悟られてしまいます。

人は質問されると反射的に回答してしまうものです。

そこは一回深呼吸して「それ聞いてどうするんだろ?」と自問してください。交渉では質問する側が主導権を握り、回答する側は主導権を失います。主導権を与えてはいけません、質問に反射的に回答するのは避けましょう。「質問返し」が有効です。

「納期いつまで待ってくれますか?」という質問に対しては

「全力で挽回すれば最速で納期はいつになりますか?」って感じの質問返しが正解。

交渉では、こちらの限界点を知られてはいけません。

コラム ①
交渉ごとにおいて自分の限界点を相手に知られるのは致命的です。本当にギリギリの妥協点を知られてしまうと一気にそこまで詰め寄られます。特に相場観が分からないときは要注意です。

・中古車買取センターで車を売る場合、「いくらで売りたいですか」と聞かれても正直に答えてはいけません。もし「できれば50万ぐらい…」と答えたら50万以上で売るチャンスを失います。

・買い物で値切り交渉をしているとき、「いくらまで出せる?」と聞かれても正直に答えてはいけません。もし「MAX1000円かな…」と答えたら、1000円以下で買うチャンスを失います。

・いずれも正解は「できるだけ高く売りたい(安く買いたい)ので、2~3件まわって決めます」です。

相手がプロでこちらが相場観が弱い場合にはなおさら注意が必要です。

交渉では相手の限界点を探ってください。

相手の限界点を見抜いて可能な限り相手の情報案を引き出しましょう

交渉の目的はたった1つ、相手の限界とこちらの限界の間に妥協点をみつけることです。
↓こういうことです。

自分の限界点を隠して相手の限界点近くに着地するのがベストな決着です。
ビジネス的にはこれが正しいと思います。ここでヘンな“情”は不要です。だってそもそもの納期からは2日以上遅れてるんですから(笑)

そこで、自分の限界点は隠すと同時に相手の限界点を探ってください。不可能な要求をしても意味ないですからね。

やはり、「納期いつまで待ってくれますか?」という質問に対しては正直に答えてはいけません。

「全力で挽回すれば最速で納期はいつになりますか?」っていう質問返しが正解。

コラム ②
私の部下Bは自分の限界点を自らホイホイ教えてしまいます。
もうセオリーの真逆です…。

「納期いつまで待てますか?」と聞かれると、
Bさんは「オレならめっちゃギリギリまで待てるぜ、スゴイだろ」というナゾの自己顕示欲を発動させます。

A社  「Bさんならどれぐらいまで待っていただけますか?」
Bさん 「ホントは1週間だけど、特別に10日待ってやるよ」
A社  「マジすか!?さすがBさんです!あざーっす!!」
Bさん 「しょうがねぇな、今回だけだぞ」

Bさんはご満悦、納期を遅らせてもらったA社ももちろん大喜びです。
だけど納品後の後工程は大迷惑です。実担当は10日の納期遅れを挽回するのに盛大に残業です。
なのに、Bさんは交渉上手を自負しているのだから困りもの…。

交渉の場で質問された時には、まず一呼吸して「それ聞いてどうする気なんだろ?」と自問してください。それは「あなたの限界点を探りにきてる」かもしれません。くれぐれも気を付けてくださいね。

あとがき

質問されると反射的に回答してしまうものです。相手が発言するとおもわず反論してしまうものです。ただ、回答・発言する前に一呼吸置きましょう。「回答・発言することにどんな価値があるのか、どんな影響が生じるのか」を考えてから口を開くようにすると交渉で優位に立てると思います。

ただし、家族や友人との会話でこの手法を使うのはおススメしません。コレはあくまで駆け引き。親しい人とは駆け引きなんてなしでいきましょうね。

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