まえがき
日本人って、いまも自分たちが先進国だと思ってますよね。それってホントでしょうか。
デラえもんは日本が好きです。これからも当面日本に住んで日本円で生活するつもり。でも、それってホントに大丈夫なんでしょうか。
皆さん不安になりませんか?10年後、20年後、日本は大丈夫なの?
デラえもん、残念ながら将来の日本経済はあまり楽観視できません。
「失われた30年、日本経済はずっと横ばいだった」なんて言われてますが、ホントですか?その間めっちゃ借金が膨らんでますけど?それは“横ばい”とは言わないのでは?…てか↓これ完全アウトでしょ。1000兆円って!???
会社員デラえもん、情報源はネット記事やYouTube。ただのシロウトです。が、そのシロウトの目に日本の将来がどう映ってるか背伸びせずに書いてみました。
将来を予想して、のほほんと円建てで資産運用してていいのか考えていきましょう。
日本って昔はすごかった?
経済「モノづくりで急速にお金もちになった」
電気・電子産業と自動車産業はメイドインジャパンで世界を席巻しました。莫大な貿易黒字で社会は急速に潤いました。
国家財政「右肩上がりの成長を前提とした運営」
莫大な税収で国も潤っていました。どこまでも経済成長し続ける想定でじゃんじゃんお金を投じました。
医療・福祉「安全安心なインフラを手に入れた!」
右肩上がりの径竿成長を前提としたぶ厚い医療と福祉制度
教育「“正解能力”に価値があった」
問題は与えられるもの。生徒は与えられた問題に対し、正解を導き出す能力を鍛えました。また「知っている」ことの価値が高かったので、詰込みの丸暗記教育が推し進められた。
だから、我々は「質問」されると反射的に「回答」してしまいます。パブロフ犬状態です。教育っておそろしい。「それ聞いてどうするんですか」なんて言おうものなら、「口答えするな」って怒られてしまいます。
でも本来は「その質問ってどういう意図ですか?回答を聞いてどうアクションするつもりですか」というのは至ってまともな質問のはずなんです。
しかし、上位者の質問にはシノゴノ言わずにさっさと回答する部下が便利だったのでしょうね。
昔は日本人の「勤勉さ」が豊かさの源だった
地道に寡黙に黙々と取り組めばおのずと結果はついてきました。
我慢・努力・自己犠牲が美徳だった時代です。
日本の今ってどうなの?
経済「安くて便利では儲からない時代」
いよいよ現代。世の中は物で溢れてしまってます。もう“欲しいモノ”なんてない時代です。
モノづくりではもう新興国に勝てない。“便利で安くて高機能”は価値が薄れています。
自動車産業だけは頑張ってますが、最近はそれも旗色があまり良くない。
国家財政「経済発展前提の財政を借金しながら延命している」
人口増加&経済成長を前提とした手厚い医療・福祉を昭和時代に構築し、いまだにその仕組みで財政を運用中です。でも、もう無理です。人口は減少し経済は低迷しています。税収が乏しく国家予算は赤字です。もう真っ赤っ赤。国は毎年借金してその損失を補填し続けている。
医療・福祉「経済発展前提の財政を借金しながら延命」
170兆円の国家予算の6割が医療と福祉です。その大半が65歳以上の高齢者に充てられています。日本は高齢者保護が手厚すぎるのです。今も高齢者を支えるために国家財政は赤字を膨らませ続けています。
さすがに手厚かった福祉や医療は今後削らざるを得ない。医療費の自己負担は増加、年金の受給年齢の引き上げ、などなど…。
教育「いまも昭和の価値基準での教育」
昔はモノ作り産業において課題がシンプルでした。「どうやって安くするか、どうやって高機能化するか、どうやって高品質にするか…」。シンプルな課題を解決することが利益につながったのです。
でも今はもう安くて高機能で高品質は当たり前です。これ以上どうしたら消費者が喜んでくれるか取り組むべき課題がわからない、そんな時代です。そんな時代には「問題解決能力」は価値が下がり、「課題発見能力」が重要となります。
なのに、学校教育はいまでも昭和の価値基準です。与えられた問題に対し、正解を導き出す教育 & 暗記教育。
- 問題は与えられるものである。
- 必ず正解があり、間違いはダメ。
- 知ってることに価値がある。
これでは現代の産業が期待するような人材は生まれない。もうメジャーリーグと戦うのにウサギ飛びしてるようなもんです。
昔は課題がシンプルでした。「どうやって安くするか、どうやって高機能化するか、どうやって高品質にするか」。でも今はもう安くて高機能で高品質は当たり前になってしまいました。これ以上どうしたら消費者が喜んでくれるか取り組むべき課題がわからない、そんな時代です。そんな時代には問題解決能力は価値が低い、課題発見能力が重要なんです。
しかも、国は借金で首が回らず、財政は火の車です。国が教育へかけられる予算は学生1人あたり米国の1/5、科学技術産業への投資予算は1/4です。将来の産業を担う若者に先行投資するお金がないのです。
日本の将来ってどうなるの?
経済「ものづくり産業の限界」
日本の大企業には期待できない
便利なものを安く大量生産することに特化している。開発者も会社の仕組みも「与えられた問題を効率よく解決すること」に特化している。
しかし、もう世の中は十分便利になってしまった。どうやったら消費者が喜ぶか、解決すべき「問題」はもはやそのへんには転がってない。衣・食・住は足りている。もうTVも冷蔵庫も車も持ってる。もう欲しいものなんてあまりない。もの作りで解決できる課題は昔ほど多くない。大企業の効率よく問題解決する仕組みはもう価値を失いつつある。
物もサービスも飽和し「消費者の困りごと」という金脈は掘りつくされたんです。じゃ、消費者はいったい何にお金を支払うのか。新しい「金脈」を探さなければいけません。
ところが日本の大企業は次の金脈を探し当てられないまま不安をつのらせています。つまり、どうやったら儲かるのか見当もつかないのです。将来が不安なので利益は未来への投資もできず、社員に給料で還元することもできず、ビビってひたすら内部留保を膨らませています。
ベンチャー企業によるイノベーションに期待したいが…
国は赤字財政です。新しい産業に投資するような予算は乏しい。科学技術予算は米国の4分の1です。将来の成長産業に投資先を選択&集中させる必要があります。
しかし日本のお役人主導では、成長産業を見極めて国が集中投資する仕組みが弱い。成長産業の育成はスピード勝負。しかし投資判断が遅く、投資後の検証もなされているのか不透明です。
- アメリカには失敗を許容しイノベーションを奨励するビジネス風土があります。
- 中国には国家が強力にリードして半ば強引に産業を加速させる仕組みがあります。
- 欧州には環境政策を活用してルールメイクで自国産業へ利益誘導する戦略性があります。
しかし、日本にはそういった強みがありません。
また、極端にリスクを嫌う日本人の国民性もイノベーションを妨げています。
客観的に見て、日本がアメリカ・中国を凌駕するようなイノベーションを期待するのは難しい。
もう「勤勉さ」だけでは世界に対抗できないのです。
国家財政「国債発行しすぎて自転車操業」
現時点で国債(国の借金)は35兆円/年、2030には65兆円/年に膨らむと予想されている。国債を日銀が買い取って日本円がじゃぶじゃぶと市場へ供給されていく。
じゃぶじゃぶ発行される通貨なんて信用されません。円の価値はどんどん下がります。円安です。
負のスパイラルです。仕組みは↓こうです
- 国の財政赤字は借金(国債発行)で補填する。
- 発行された国債を買うのは主に日銀。(←これ原則的には違法行為)
- 日銀はすでに国債を大量に抱えていて、国債の値下がりは許容できない。
- 日銀は国債が値下がりしそうになったらさらに買い増し。もう無制限に国債を買い支える。
- その結果、日本円が市場にじゃぶじゃぶ出回る
- 大量に円が市場に供給されるので円の価値が下がる=円安。
- 円安はコストプッシュ型のインフレを招き物価が上昇する。
- 物価上昇で景気が冷え込むと企業業績が落ち込む
- 景気の冷え込み・企業業績悪化で国の税収が減る
- 税収が減ると国の財政が悪化しさらに赤字が膨らむ → 1.へ戻る
「ゼロ金利政策で景気が上向く」なんてウソです。
日銀がゼロ金利に固執する理由は、自身が大量保有している国債が値下がりすると経営破綻するので、それを避けようとしているだけなんです。
円高に振れる要素は見当たりません。将来的には一層の円安がすすむと考えています。
医療・福祉「手厚過ぎる福祉が財政を圧迫」
少子高齢化が進み、労働力が不足します。これは確実に訪れる未来です。労働力不足で産業活動が低迷し、国は税収が減って国の借金が膨らみます。回避するには、手段は↓この2つでしょう。
- 移民を受け入れる。
- 労働生産性をUPする。
人口が10%減るなら、10%相当の大量の移民を受け入れるか、労働生産性を10%向上させるかです。難問ではありますが、問題構造としては比較的単純ですよね。
教育「勤勉さだけはもう勝てない」
日本の将来に期待されるのは「問題解決能力」ではありません。「問題発見能力」です。
従来通りの詰込み教育や正答能力を強化するだけではダメです。産業においては価値がありません。自ら問題を発見し提案する能力を育成する必要があります。
でも、すでに教育現場は疲弊してます。決められたカリキュラムをこなすこともままならない。それなのに、このうえ教育改革するなんて、ぜんぜん無理ゲーでしょ。
また、教育方針を変えるということは教師の育成からはじめないといけない。
仮に理想の教育改革が実現できたとして、中学生・高校生が経済に貢献してくれるのは10〜20年以上さきのこと。
つまり、教育の改革は着手してから経済活動につながるまでに時間がかかりすぎる…。
結論
- 日本は少子高齢化×産業の低迷により国際競争力を急速に失いつつある。
- 赤字財政に苦しんでいる政府には、産業の後押しを期待できない。
- 対策方法は成長産業の育成と労働生産性の向上である。自助努力で。
あとがき
この30年間に諸外国が経済発展する中、日本は横ばいだった。でも、それは横ばいに見えてただけ。実は裏では借金が膨れ上がって、いよいよ目に見えて国民生活を直撃し始めてます。
日本国民は、多額の借金を背負わされ、成長産業も見出せず、若者への先行投資もできない、状況です。国も会社も頼りになりません。誰も守ってくれません。この現実を直視し、みなさんがそれぞれ自分と自分の家族の将来をどうやって守っていくのか、真剣に考えるべきです。
でも、他人情報やweb情報の受け売りでは、みなさん行動できないはず。そんなので安易に自分の資産運用や職業選択をしてはいけません。ましてやこんな弱小ブログ情報なんて胡散臭すぎる(笑)
ただ、大事なご自分の人生、少なくとも思考停止だけはダメです。ご自身で正確な情報を仕入れて世の中のトレンドを分析してみてください。そして適切な資産運用と後悔しない選択をしていただきたいと思います。この記事が誰かの何らかの気づきや行動のきっかけになれば幸いです。
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