面接官が好むコミュニケーション
会社員がコミュニケーションにおいて“目的意識”が強く“効率”を重視することをご説明しました。では、面接の場に当てはめるとどうなるか?解説していきましょう。
[面接の目的]
職場でのコミュニケーションには明確な目的があるとお伝えしました。
採用面接であれば、あなたの目的は面接官を満足させることです。面接官が「採用」と判定できるよう、判断材料を提供するのがあなたの役割です。
面接官は漠然とあなたと会話しているわけではなく、手元にチェックリストをもっています。そのリストに応じて質問をしているので、ストレートに回答してください。チェックリストにレ点を書かせてあげてください。
きちんと“質問→回答”のキャッチボールができるかを試されています。
[面接における効率]
あなたの役割は、面接官が意思決定できるよう判断材料を提供することです。裏返せば「関係のない話を持ち出さない」ことが重要。尋ねられてもいないこと、あらかじめ準備してきたセリフを一方的に披露するのはNGです。面接官に「あ、こいつはこの場の目的を理解できてないな」と思われるのは避けたいですね。
面接の持ち時間は30分程度でしょうか。それはあなたの時間ではありません、会社の資産だと捉えましょう。
その資産をあなたが勝手に浪費するようでは、高評価は得られません。関係のない話に議論がそれて時間を浪費している暇はありません。 面接官の時間を尊重し、彼らが判断するための材料を提供することに時間を使ってください。
[コラム]
amazonの創業者ジェフ・ベゾスは部下につまらない質問をされると「お前のクソみたいな質問でオレの人生が10分無駄になったぞ、どうしてくれるんだ?」と怒ったといいます。面接官の人的資産価値はジェフ・ベゾスに遠く及びませんが、面接時間たった30分、丁寧に使うのがお互いのためですね。
[目的達成のための効率良いコミュニケーション]
ここまで、抽象的な内容ばかりだったので、少し具体的な対策法にも触れておきましょう。効率的なコミュニケーションってどんな話し方でしょうか。
面接では面接官が知りたい情報を’必要最低限の時間”で伝える能力を試されています。
[How To 1:結論ファースト]
効率的な話し方の手段のひとつが「結論ファースト」です。
↓の順で話しましょう。
・まず結論
・次に根拠
「結論ファーストぐらい知ってるよ」という人も多いでしょう。でも、みんなできません。なぜでしょう?
普段人は“根拠→結論”の順で話します。
「○○だから、△△です。」
これ、ごく自然なことです。思考の流れとして“根拠があって結論に達する”からです。そして、日本語はその思考順序そのままに構成されている言語だからです。
雑談ならこれもよいでしょう。
しかし、最後まで話を聞かないとあなたの言いたいことが分からない、というのは聞き手にとって大きな負担です。コミュニケーションコストが大きい。
意思決定の効率化のために、業務でのコミュニケーションはその逆、“結論→根拠”の順で話すよう求められます。
△△です。なぜならば○○だから。」
人は“根拠があって結論に達する”ので、結論ファーストで話すというのは、脳の自然な論理構築や日本語の構成に逆行する行為なのです。不自然なんです。
しかし、仕事で効率よく意思決定していくためには必須のスキルです。トレーニングが必要です。意識して身に着けていきましょう。
[How To 2:相手の期待に応える]
会社員に限らず、“仕事の本質は期待に応える”という作業です。期待に応えるためには、当たり前ですが相手の期待を把握する必要がありますね。間違っても「オレのスゴさを聞いてくれ」という独りよがりはダメですよ。
面接では面接官の目を見ているはず。もし眉間にしわが寄ったら危険なサイン。「それはオレが聞きたい話じゃないんだよなー」と思っているかもしれません。
話すだけがコミュニケーションではありません。相手の話を聞く方がずっと難しい。面接の最も難しいところは「面接官が何を欲しがっているか」と捉えることです。
全力で聞いてください。
用意してきた想定質問は一旦忘れてください。模範解答を披露したくなる衝動はぐっとこらえましょう。面接官がどうやったら満足しそうか、その一点に全集中してください。
面接官はいろんな質問をします。
・卒論の内容を教えてください。
・最近ハマっている趣味はありますか?
・アルバイトの経験がありますか?
でも、大丈夫です。卒論のテーマがショボくても、趣味が地味でも、バイトの経験がなくても、まったく採否には関係ありません。 面接官が知りたいのは、会社員としての価値 強み / 熱意 /コミュスキル この3つです。
タネ明かしすると、面接官は話題提供しているだけ。
あなたがやるべきことは、その話題を使って強み / 熱意 / コミュスキルがあることを証明することなんです。面接官が投げたボールを丁寧に受け取ってシンプルに回答するだけ。その時に、あなたの専門性や熱意を証明する根拠を交えて回答できれば完璧です。
結論
面接はシンプルな作業です。面接官の知りたいことをくみ取って、面接官を満足させる回答をかえすのです。
そして、面接官の知りたいことは、会社員としてのあなたの価値です。あなたが「強み×熱意×コミュスキル」を備えていることを面接官に説明し納得させることが、採用面接の本質なのです。
まとめ
- 採用面接の本質は面接官の期待を満足させることです。
- そのためには面接官の価値観を知っておくことが重要です。
- 社員の価値は「専門性×熱意×コミュスキル」で測られます。
- 面接で主に評価されるのはコミュスキルです。
- なかでも組織で重視されるコミュニケーションの要素は“目的”と“効率”です。
目的に関係ない要素は廃し、時間効率を重視した話し方が好まれます。 - 面接であなたがすることはシンプル。面接官との会話で「強み×熱意×コミュスキル」を備えていると端的に伝えることだけです。
あとがき
面接では、面接官の期待を捉えて会社員特有の価値観沿った回答をすることがポイントです。
でも、ひとつ知っておいてください。
面接官も基本的にあなたを採用したがっています。
好んで不合格を出すような面接官はいません。
ですから、面接官の手元のチェックリストはあなたが埋めてあげてください。
たった3つのチェックボックスにレ点を入れてあげるだけです。
□強み □熱意 □コミュスキル
ね?簡単でしょ?
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